今回はちょっと珍しい修理のご紹介です。
下写真はどちらもiPhone 6s。シルバーは明らかに基板の損傷で起動しません。ローズゴールドは起動しますが少なくとも、画面、バッテリー、ドックコネクタ、4G通信ケーブルの4つに不具合があり、すべて交換しなければまともに使えません。しかし基板そのものは無事なようです。
片方は基板がダメ、もう片方は基板以外がダメ……
ピコピコピーン! 基板入れ替えれば良いんじゃね?
というわけで実際にやってみました。
ちなみに通常このような修理は受け付けていません。ジャンク品として購入したものをスタッフが趣味の範疇で修理したものです。ローズゴールドは一応操作できる状態なのでバックアップが取れるし、逆にシルバーは起動しないのでバックアップなどデータを取り出す術がありません。つまり普通であればわざわざ移植する意味がないのです。
2台まとめて分解します。画面も取り外しているので、どちらから外したものかマスキングテープを貼って分かるようにしておきました。また、基板とホームボタンはセットで扱うので、基板を移植したらホームボタンも移植しなければなりません。組み合わせが違う場合は指紋認証が使えなくなります。もちろん通常の画面修理やホームボタンの交換でも同じです。
iPhone 6sのホームボタンはフチの部分が本体と同じ色になっています。上写真でもよく見るとシルバーの方は銀色、ローズゴールドの方は赤っぽくなっているのが分かります。ホームボタンを外したらいよいよどちらのフロントパネルか分からなくなるので、マスキングテープで分かりやすくしておくことが大事です。
基板のみを撮影したところ。水没復旧するときはこの状態で洗浄を行います。入れ替えて元通り組み上げていくと……。
正常に起動するようになりました。シルバーのフレームにローズゴールドのホームボタンが付いているのが分かるでしょうか。見た目を合わせてシルバーのホームボタンにすることもできたのですが、目立つところではないし、指紋認証できないよりできたほうが良いだろう、ということでこうなりました。
ローズゴールドの方はダメなパーツの寄せ集めですので起動しません。
今回はフロントパネルが無事だったので新しいパーツを使うことなく正常なものが出来上がりました。店舗で行う修理とは異なりますが、技術的には大して変わりません。
特にAndroidで、フロントパネルなどパーツ単位の仕入れができないものは、同じ機種の中古品を用意して基板を移植する場合があります。作業としてはまさに今回と同じです。
流通状況によっては新品を買うより高額になってしまう場合もありますが、どうしてもデータを取り出したい場合はご相談ください。
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